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2013 年を振り返って:『Waking Mars』

12/31/2013

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2013 年最終日、今日は架け橋ゲームズが手がけた海外タイトル第三弾
『Waking Mars』について振り返ってみたいと思います。

本作は矢澤が GDC 2013 のセッションを聴講していて、凄く面白い人たちだなあと思っていた Tiger Style 社の作品です。
矢澤が執筆のお手伝いをさせていただいたファミ通さんの記事はこちら。

『Waking Mars』の開発者が考える、フリーランス集団の健康的な利益分配法【GDC2013】

このタイトル、プロジェクトの立ち上がりこそ時間がかかりましたが、実務においてはこれほどスムースに進んだプロジェクトも他にありませんでした。というのもすでに他言語にローカライズ済みで、開発側でローカライズ準備が万全だったからです。

たとえば...
  • 翻訳するテキストはすべて XML ファイル一つにまとまっていた
  • 一番ボリュームのあるセリフ部分のテストをするためのデバッグ機能が用意されていた
  • テキストの自動改行システムがわかりやすく、翻訳段階で実機表示を想像しながら作業を進められた

など。

というわけで、プロジェクトはもうものっそいスムースに進みました。
ボリュームが 20000 ワードと、インディーゲームとしては比較的大きなものでしたが、こちらも文字列 ID から文脈情報を把握できたのでサクサクと進められました。

翻訳の際に気を使ったのは...主に 2 点。AI である Art くんの口調をどうするかと、これまた Art くんが「意図的に文法を間違えて話している」ところをどう日本語化するか、でした。

ホント大変だったよね、ART くん?
Picture


まず Art くんは英語版だとすべて大文字でしゃべっているのですが、これを全部カタカナにしちゃうと読みにくいだろうなあと考えて色々試したんです。漢字を平仮名「にするとか、思いつく限りやって」みましたがやっぱり字幕なので可読性は下げたくないなと考えて、結局語尾や接続詞のような読み飛ばしても問題ない部分だけをカタカナ化することにしました。

結局コレはそれなりに上手く言ったんじゃないかなと思います。
たとえば...

  • YES! THAT IS HOW HUMANS COMMUNICATE.
  • イエス!  人間の会話においてはその表現で適切デス

みたいにしています。

もう一つ困った「意図的な Art くんの文法間違い」は、日本語でも文法を間違えればいいという答えこそ出ていたものの「打ち間違えだと思われるんじゃないだろうか?」という不安がずっとありました。これについてはもう、僕のノリだけで訳しました(笑)。伝わるといいなあという期待を込めて、です。

たとえば...

  • THANK YOU! I AM VERY ABILITIES FOR HUMAN DIALOG.
  • ありがとうございマス!  ワタシの非常に優秀が対人会話機能デス!

Art くんは本当に苦労させられただけに、物語が進んでいくウチに彼の秘密 (そんな大げさなものではありませんが) が明らかになると、彼にやたら感情移入してしまいました。あのコはホントは賢いコなんですよ...!

ああ...これも本当に楽しいプロジェクトだったなあ。プロジェクトとしても非常にうまく行ったので、理想的なプロジェクト、とも呼べるんじゃないかなと思います。
 
Picture
※ 説明文のところ、実は入りきらなかったのでフォントサイズを小さくしてもらっています。 それでも入りきらなかったのは矢澤が意味を落とさないようにがんばって短縮しました。 コレとか、行数と文字数数えてギリギリ入るようにしながら見た目も綺麗になるように計算してるんです。 うまく行ったのを実機でチェックするの快感でした。
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